゜。秘密の極道彼氏 。°
「馬鹿かオッサン。私は猿轡綺麗なのかって聞いてんだよ。私結構綺麗好きなんだよね。はっきり言うとこんな埃っぽい所に居んのもストレスになる」
「なっ!?」
あー、喋れるって幸せ。
言葉って人間最大の発明品だよ。
「別れんのか別れねーのかってんだよ!!!」
「誰が別れるかボケ。てめぇどっかのヤクザ?ぜんっぜん怖くねぇんだけど?」
「これでも幹部じゃボケぇ!!とっとと別れろ!!!」
「えー?ここどこ?場所教えてくれたらいいよ。んでもって、ちゃんと会ってお別れ言いたいな―なんてー」
こんな罠に引っ掛かるやついんのかな。
「ふっ。ちょうどいい。若頭ここに呼べよ。お前のまえで元彼ぼこってやる。ぶわっはっはっはっは!!!もっと昇格できるかもな、俺!!!」
……いたよ。
罠に引っ掛かる馬鹿。
あーまぁこの倉庫にずいぶんお仲間さんがいるんだろうけど。
と、馬鹿なオッサンはここの場所を教えてくれ。
私のケータイをルンルンで弄り、ケータイを耳にあててくれた。
「……もしもし!?來華今どこ!?」
今…何時なんでしょう?
どうやら私は行方不明状態のよう。