゜。秘密の極道彼氏 。°
「須中……須中組の若頭か…!」
ササも苦々しい顔で真央を見つめていた。
「須中組?」
「俺らと同じような組だが……ずいぶん田舎のほうにある組だったはずだ」
田舎……私の故郷っすね、多分。
「あぁ、僕は確かに若頭さ。
朱雀は彼女を溺愛してるって聞いた。
なら、來華のまわりに男はいないと思った。のに……。
お前さえいなくなれば……來華は僕の所に来るだろう?!
お前さえいなければ!!!」
真央の顔は憎しみにあふれてる。
なんかこの誘拐軽く考えてたけど、結構重くなってきたな。
「けど……結局お父さんがよこしたのは20人くらいしかいなかったし。
雇った暴走族も弱い。あぁ、失敗だ」
そう言いながら真央は背を向けた。
「須中!!どこへ行く?!」
直唯があわてたように声を出す。
「警察、来てるからね。諦めた方がいいよ?」
ニヤっと笑ったと思ったら
「僕は田舎へ帰るとするよ」
と歩いて行ってしまった。