男ときどき女
「...ウ、ユウ!」

「ぅわ!」

急いでベットから起き上がる。なんなんだ?

「ほら、道場いくよ」

勝手に人の部屋に入ってきた女は柔道着を身にまとい、当然の如く俺を引っ張り上げた。


「可奈、親父は?」

「もう先に行ってるよ。早くいこ!」

寝起きにこのテンションはキツイ。俺は頭をボリボリ掻きながらゆっくりとベットから立った。


目の前にいるのは原田可奈(はらだ かな)。俺の幼なじみにあたる人。

柔道着が似合わないきゃしゃな体。黙ってればモテると思われる顔。


良くも悪くも生意気娘である。


急いで着替えると、家の真横にある道場に向かった。


それにしても何を考えて寝ていたのか、しっかりと頭から抜け落ちていた。




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