男ときどき女
「まさか同い年だったなんてねー」


数分後に彼女から話が切り出された。


いきなりタメ語なのはびっくりした。こっちが敬語で話すと「タメ語でいいじゃん」と訂正されてしまった。

俺はよかったと胸を撫で下ろした。なんにせよ敬語は苦手だからだ。


かといって安心もできない。普段通りだとボロが出そうだから。


「高校はどこ?」

自然とそういう話題になった。


俺は知ってる共学の場所を言った。というかそれは可奈の学校だった。


“へぇー”という答えが返ってきたのでそこそこ有名な学校なんだなと実感した。

大体の学校情報は可奈からオバチャンの世間話のように聞いているため、対応には困らなかった。

時々くるわからない質問は“あー”と頷いて乗りきった。


クリームソーダを飲み干してからしばらくで俺達は喫茶店を出た。


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