男ときどき女
「...で、結局なんで女装してたの?」


可奈は俺が着替えた後図々しくも晩飯を召し上がって、さらに俺の部屋に居座っていた。


話すのが嫌だった俺は、テレビの電源をオンにして聞く耳もたぬモードに切り替える。


取り残された可奈は、そこら中に転がっている人形を投げつけてきた。


俺は気にせずテレビに集中した。

すると、“これなに?”とベットの下にある箱を出してきた。


「あっ...」

俺は急いで彼女の開けようとした腕をどけてまたベットの中に押し込んだ。


「なにあわててんの?」

「なんでもないよ、うん」

知られてはならない禁断のメルヘンボックスに手をだされちゃあ、男は黙っちゃいませんよ。


これ以上詮索されると危ないと判断した俺は、仕方なく話し始めた。


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