男ときどき女
場所は戻り俺の家。


「へぇ〜、そんなことがねぇ…」


可奈はニヤニヤと笑い顔をしながら、何か企んでいそうな感じだった。


当然全ては話していない訳で。昔のことも一切話していない。


サクラが好きだなんてこいつには絶対に知られたくない。



やがて、可奈の口が開いた。


「もう一回会おうよ。私も行くから」


大体は予想できていたので大して驚かない。


「いつだよ」

「来週」

即答か。


一種の弱味を握られている俺は黙って従うしかない。



可奈は早く電話しろ、と言わんばかりに体を揺らした。



俺はまた仕方ないといった様子でサクラに電話した。



< 29 / 55 >

この作品をシェア

pagetop