男ときどき女
「勝負しよう」

「は?」

唖然とする顔を見て声を続ける。

「だから、俺がサッカーで勝ったら“ちゃん”づけで呼ばないこと。負けたらなんでもしてやるよ」


こっちのリスクが高ければ向こうは乗ってくるだろうから。

「いいんだな?そんなこと言って」

俺は勢いよく右手親指を突き出した。

「俺も参加する~」

起き上がってきた怜がゆらりとやってきた。




ピー。と審判のホイッスルが鳴る。相手のチームに見覚えがある顔が一人。


「って、なんで怜がそっちにいるんだよ!お前サッカー部じゃん!」


想定外だ。怜を味方にしようとしてたのに。


「なんでもするって言ったよなー?ユウ」


不適な笑みが今でも頭に焼き付いている。




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