男ときどき女
一週間後。


俺は可奈の家に呼び出され、女装に磨きをかけられていた。


「似合うじゃ〜ん。やっぱ小さいからねー」


可奈の古着を着せられ、心底自分の背の低さを恨んだ。

「それじゃあ行きますか?ユウちゃん?」


「“ちゃん”をつけんじゃねー!」


俺たちは勢いよく家を飛び出した。



そして隣町。


帰ろうと思った。というか帰りたいです。


にこやかに手を振っている男の顔を俺は知っているからだ。


「なんで怜なんだ!?」


あの二人にどんな繋がりがあるんだ?


離れていた時間を今やっと解らされた気がした。


「ねー、怜ってアンタがいつも話してる人?」


可奈は逃げようとしている俺の首根っこを掴んで、止めながら訊いてきた。


「…そうだよ」


抵抗するのを諦め、ムスッとした感じで言った。


可奈は「会ってみたかったんだよねー」というと、俺を引きずるように二人のもとへと連れていった。






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