男ときどき女
立ち話もなんだってことで、近くの喫茶店に足を運んだ。


入った店は綺麗なところだった。


接客態度もよかったし、手際もいい。


ただひとつ気になるのは、やたら視線を送り続ける男の存在だった。


「あのー?なにか?」


バレないように声を高くする。

可奈が横でクスクスと笑っている。


「かわいいなって思って」


鳥肌がたった。男に口説かれる俺って。


そもそもなんで気付かないんだ?いっそ気付いて欲しい気持ちが上回っていた。

俺は気味悪がりながら水を飲んだ。


「可奈ちゃんてあの柔道で有名な?」


え?

「バレたか」

舌を出して可愛さをアピールする可奈。


キャラ作り丸出しだ。


「うちの学校じゃ有名人だもん」

続けてサクラは言った。


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