男ときどき女

俺は疑問の顔を投げた。


「いや、楽しそうに話すなぁって思って」


ちょっと顔が熱くなる。

「そんなことないよ」


俺はとりあえず精一杯否定してみた。


「やっぱ可愛いわ」

そればっかだなお前は。


あまりのしつこさに思わず笑みがこぼれる。


「あっ、やっと笑った」

怜の声にハッとする。


「なんか機嫌悪かったみたいだからさ」


お前のせいだよ。と心の中で思いながら、もう一度笑った。