男ときどき女
一方女子トイレ。


「どう思う?」

サクラが訊ねる。

「どう思うって?」

すかさず可奈が答える。

「彼だよ彼」

慌ててサクラの顔を見る可奈。


「気付いてたの?」

可奈は小さい声で訊ねた。

「当たり前じゃん。バレバレだよ」


それを聞いた可奈は観念したように話しだした。


「実はあの子ね……」


「好きなんでしょ?」


「え?」

被さった声は突然訳のわからないことを言い出した。

「誰が誰を?」


「可奈ちゃんが怜君を」


可奈にはどうしてそんな解釈になったか全くわからなかった。



< 39 / 55 >

この作品をシェア

pagetop