男ときどき女
五分後。
「どうぞ」
俺は顔を覗かせた後、二人を部屋に招き入れた。
サクラはこれでもかと部屋を見渡している。
「どーせ片付けるもんなんてないでしょ」
突然可奈が言葉のナイフを投げる。
「うっさいなー、お前の部屋だって似たようなもんだろ?」
俺もすかさず投げ返す。
「大体、チビのアンタにこの部屋は広すぎるのよ」
「チビって言うな、チビ!」
「こん…の…」
「まぁまぁ」
しばらくキョトンとしていたサクラが真ん中に割って入った。
視界に映るサクラを見て、思わず後ろに下がった。
可奈も同じように下がる。
サクラがいることを思いだし、我にかえった俺は顔が赤くなり後悔した。