男ときどき女
「わ、私は...」

またもやハッとした。なんて言えばいいんだ?急に焦りだす。

俺が焦っているのを見て疑問の顔を投げられた。

「ユイ、桐谷ユイです」

まぁこれならなんとか大丈夫だろう。

「ユイさん?ですか。はい、番号です」

番号が書かれた紙を受け取った後、後ろの方から声がした。

「いたぞー!」

あいつらこんなとこまできたのか、感心している場合じゃない。


「スイマセン、行かなきゃ」


メガネの破片を拾って俺はまた走り出した。

振り返って声を出す。

「またあとで」

片手を振りながらまた前を向いた。



その後俺は体力切れで捕まり、もう夕方ということで帰ることになった。


助かったとホッと安堵の息をもらした。

< 9 / 55 >

この作品をシェア

pagetop