【BL】仕方ないじゃん!



「どれがいいかな」


今日は日曜日。


隣には無数に並べられたピアスと睨めっこ中の景。


「なんでもいーぜ。景が選んでくれたなら何でもつける。」
「本当?じゃあこれ」



と、景が指さしたのは、キノコのピアス。


いや、何でもいいって言ったけどさ……
言ったの俺だけどさ!



「……マジでこれ?」
「何でもいいんじゃないの?」
「…………………」



俺は思わず目頭を押さえる。



あれか、景のセンスは想像以上のもんだったのか?

キノコは可愛いよ。うん。


でもよ、俺がつけるって事忘れてるんじゃねーか?



「な、なぁ…景。他にもたくさん良い奴あるだろ?」
「僕はこれが一番気に入ったんだけど……」



何でそんな残念そうな顔するんだよ……。
すげー罪悪感あるだろうが。




「あ、あー…可愛いよな、キノコ。」
「だよね!買ってくる」
「え、あ、ちょっ――」



止める間もなく景はレジへと走っていった。


俺は再び目頭を押さえて、思案する。



あのセンスは天性のものか?
つーか、天然か?


そんな所も可愛いけどよ!



可愛いけど…
俺がキノコ……

いや、ないだろ。




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