【BL】仕方ないじゃん!
飯食って、買い物して、一日の時間はあっという間に過ぎてしまった。
家まで送ると言った俺に、景は首を横に振った。
曰く、女扱いはされたくないらしい。
仕方ないので駅まで見送り。
「今日楽しかった。」
「俺も。またしような、デート」
「なっ…またデートって……恥ずかしいだろ!」
ここまで顔赤いと、反応面白くなってくるな。
「はいはい。気をつけて帰れよ。また明日な。」
そう言った俺に対して、景の表情は不機嫌になる。
「な、なんだよ?」
「……なんかあっさりしてるなと思って。もうちょっとこう……名残惜しそうにしてくれてもいいのに。」
「………ばか。」
ああ、ばか。
本当にばか。
「あんまダラダラしてっと帰したくなくなるだろ。それとも、この人だらけの中キスでもさせてくれんの?」
「む、無理!それは無理!」
「だろ?だったら大人しく帰っとけよ。俺の理性があるうちに。」
景は顔を真っ赤にさせ、改札口へと走っていく。
あー……
やっぱ帰したくねーや。
なんて思っていると景が振り返った。
「明日、ピアスつけてきてね!」
そう言ってホームへと消えていく。
ピアスって……
あのキノコ?
マジか…………。
ポケットに入れていた包みを取り出し、中身を手のひらに出す。