【BL】仕方ないじゃん!
景に選んでもらったピアスをつけ登校する。
会った瞬間、景は頬を綻ばせた。
「似合ってる。」
「さんきゅ。いつの間にすり替えたんだ?あのキノコと」
「えー、内緒」
イタズラが成功した子供のような笑みに、ドキドキさせられる。
「はーい、朝から廊下でイチャつかない!」
にこにこ笑って俺たちの間に入ってくる不届き者。
「大地、邪魔。」
俺は容赦なく頭をぶん殴った。
「いったぁー!お前本気で殴ったろ!?」
「邪魔するから悪いんだよ。」
「二人が甘い雰囲気醸し出してるから、バレないように気を使ってやってんじゃん。なぁ、景君?」
景の肩に回そうとした腕を力一杯振り払う。
「油断も隙もねーな。だいたい愛しの茉莉奈ちゃんはどうしたんだよ?」
「よく聞いてくれたね。実は――」
「いや、いい。聞くのは面倒だ。」
語りだそうとした大地を抑え、景の肩を抱えて俺は足早に進む。