【BL】仕方ないじゃん!
「い、いいの?」
「いいんだよ。大地の別れ話は長い。」
今までの経験から間違いなく三時間以上は語る。
付き合ってられるかってんだ。
「あ、律樹ー!」
くそ……また邪魔かよ!
しかもこの声は……
「奈美恵」
「おはよ、律樹!」
俺の腕に抱きついてきた奈美恵をやんわりと引き剥がす。
「あのな、この前も言ったけど俺はお前と遊ぶつもりは」
「うん。だからマジで狙おうと思って。」
「は?」
「私、律樹のことマジで好きだから。絶対諦めないよ。覚悟してね。」
「え――――」
グイッとワイシャツを引き寄せられ、唇には柔らかい感触。
キスされたのだと気付くのに数秒かかった。
慌てて体を引き離し、口元を拭った。
「何すんだよ!?」
「マジ宣告よ。もっと攻めてくから、よろしくね。」
「よろしくって………あ、おい!景!!」
景がスタスタとその場を後にする。
しまった………。
よりによって景の前でキスなんて…………。
俺はその背中を走って追いかけた。
「超面白い展開だね。」
そんな大地の呟きを聞きながら。