【BL】仕方ないじゃん!
「律樹、これ食べて」
「奈美恵、もう一度言っとく。俺はお前と遊ぶ気も、付き合う気もない。」
「それは、景くんと付き合ってるから?」
「そうそ……――なんで知ってんだよ?」
俺は奈美恵を凝視。
大地の奴がバラしたのか?
いや、アイツはそんなことするような奴じゃない…。
「さっき見たの。二人でキスしてるとこ。」
さっき………
多分朝のことだろう。
「じゃあ話は早い。俺のことは諦めろ。」
「嫌よ。むしろチャンスだもん。」
「は?」
俺は眉間に皺を寄せた。
奈美恵は嫌な笑顔を見せた。
「二人のことバラされたくなかったら、私と遊んでよ。」
俺は鼻で笑った。
「ふん……バラしたきゃバラせよ。俺は別に困んねーし。」
「律樹はね。でも景くんはどうかな?だって男同士だよ?周りの反応は冷たいわよ。そんなに景くんを傷つけたいの?」
「………………」
景を傷つけたいって?
んなわけあるか。
「一日だけ時間あげる。明日返事訊かせてね。」
ちょうど景が飲み物片手に戻ってきた。
「お待たせ。はい、林檎ジュース」
「ありがとう。」
「あれ?律樹、どうかした?」
顔を覗く景に俺は笑いを返した。
「何でもない。気にすんな。」