【BL】仕方ないじゃん!


「律樹、これ食べて」
「奈美恵、もう一度言っとく。俺はお前と遊ぶ気も、付き合う気もない。」
「それは、景くんと付き合ってるから?」
「そうそ……――なんで知ってんだよ?」



俺は奈美恵を凝視。

大地の奴がバラしたのか?

いや、アイツはそんなことするような奴じゃない…。



「さっき見たの。二人でキスしてるとこ。」


さっき………
多分朝のことだろう。



「じゃあ話は早い。俺のことは諦めろ。」
「嫌よ。むしろチャンスだもん。」
「は?」



俺は眉間に皺を寄せた。


奈美恵は嫌な笑顔を見せた。


「二人のことバラされたくなかったら、私と遊んでよ。」



俺は鼻で笑った。


「ふん……バラしたきゃバラせよ。俺は別に困んねーし。」
「律樹はね。でも景くんはどうかな?だって男同士だよ?周りの反応は冷たいわよ。そんなに景くんを傷つけたいの?」
「………………」



景を傷つけたいって?
んなわけあるか。


「一日だけ時間あげる。明日返事訊かせてね。」



ちょうど景が飲み物片手に戻ってきた。


「お待たせ。はい、林檎ジュース」
「ありがとう。」
「あれ?律樹、どうかした?」


顔を覗く景に俺は笑いを返した。


「何でもない。気にすんな。」



< 34 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop