【BL】仕方ないじゃん!
何それ、と景は頬を赤くして、顔を逸らした。
「やっぱおかしいって笑うか?」
「笑わ……ない。けど……」
「けど?」
先を促せば、景は言いにくそうに口をもごもごとさせた。
「……どうせなら本当にデートしたいよ。律樹の頭の中だけじゃなくて。」
と、ちょっと拗ねたような言い草で景は言った。
「だってズルいよ。僕だって律樹とデートしたいのに………」
目を伏せて言う景を愛しく思った。
抱きしめたい衝動を抑え込み、景をまっすぐ見つめる。
「景、」
名前を呼べば、景も顔を上げた。
「奈美恵にな、景と付き合ってることバレちまった。」
「うん。」
「バラされたくなかったら奈美恵と付き合えって言われたんだ。けど、ごめんな?俺、どんなことあっても景のこと手放せねーみたいだ。」
少し自嘲気味に笑った。
「景のこと傷つけるかもしんねーのに、酷い男だろ?」
景は無言で首を横に振った。