【BL】仕方ないじゃん!
「そっか。世界中か……。」
「うん。」
「もう一生手放してやんねーから。」
「うん。」
嬉しそうに笑いやがって……。
景の頬に手を添えて、至近距離で瞳を見つめた。
「じゃあキスして。」
「え、今?」
「ああ、今ここで。俺のモノになるって誓いのキスをして。」
景は瞠目して無理だと言う。
「だ、誰かに見られたら……」
「恥ずかしいって?そんなんじゃ世界中に自慢なんて出来ねーぜ?」
「うっ……」
分かってる、意地の悪い言葉だ。
それでも、
「ほら、景?」
確かなモノが欲しいんだ。
「~~~~」
かなりの躊躇いの後、唇に柔らかな感触があった。
すぐに離れたそれを追いかけるように、俺はキスをする。
――何があっても、俺が守り続ける。
そう誓って。
「あ、でも……バラされちゃったら、明日学校中大騒ぎだね。」
「ああ、それなら大丈夫だ。奈美恵の奴、バラす気なくしたみたいだから。」
「そっか。」
「まぁ、俺はバラされても問題ねーけどな。むしろ言った方が景に変な虫寄らなくていいかもしんねー。」
「律樹………」
景が呆れたように俺を見る。
「冗談だよ。秘密の恋も悪くねーしな。」
―――本気の恋を教えてくれた君に、最大限の愛を。
例え相手が男でも、
許されない恋でも、
好きになっちまったんだから、
仕方ないんだ。
――END――