爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
この人の肌に吸い寄せられるような。
不思議な感覚。
だから、視線をそらしたのは一瞬。
もう一度、男の顔を見ると。
ゆっくりと瞳を伏せた。
お互いの体温が、優しく交じり合う。
唇が触れ合った。
焼けつくような熱さの舌が。
極寒の中で凍りついた唇に微かに触れる。
---ん!?
夢って、体温を感じるもの?
ピクリと眉がゆがむ。
上下の服の隙を縫うように、男の手がそっと氷のような肌に触れた。
…これって、夢じゃない!!!
パッと目が覚めるかのように。
私の意識が覚醒した。
「ストップ!!!」
絶叫に近い大きな声と一緒に、縛られた両手を振り上げると、力いっぱい左右に振り回した。
バキッともの凄い音がして。
ジンジンと痛みにも似た感覚が手に感じる。