爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
勢いよくゴロンとうつぶせになると、急いで体を起こした。
キョロキョロと辺りを見回すと、顔を抑えた男の人が布団の上でうずくまっている。
「あ…あの?」
恐る恐る声をかけてしまった。
普通なら逃げればいいのに。
この状況が分からなくて。
一体、何が起こっているのかも知りたくて。
思わず声をかけてしまった。
私の問いかけに、深く眉をゆがめながら。
ゆっくりと顔を上げた。
その顔を見て、逃げるとか。
状況が全く分からないとか。
そんなちっぽけな疑問が吹き飛ぶくらいの衝撃が目の前にあって。
絶対、夢でしかない!!
これは夢の中!!
必死にそう思いこませようと自分に言い聞かせる。
「あ…あの?」
顔を引きつらせながら、もう一度、目の前の男に声をかけた。