爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
だって、部屋の中央に繧繝縁(うげんべり)の厚畳二枚が敷かれ、その上にさらに一枚置かれて、そのまわりを大宋屏風(たいそうびょうぶ)で囲ってある。
屏風なんてイマドキ見たことがあるのは、社会の教科書…芸能人の結婚会見とかで、金ピカに光っているのしか見たことがない。
それに、小袖を着ていて頭は髪の毛を結い上げて頭のてっぺん辺りで巻くような髪型。
これって…
時代劇?
って、思うのは簡単なくらい。
だって、今の状況をどうやって理解していいか分からない。
「元気のいいオナゴだ。」
ゆっくりと手を離しながら、緩やかに口元に笑みを浮かべながら私の顔を見た。
「あ……あの。」
それしか言葉が出てこない。
この人、怒っているわけではなさそうだけど。
この状況、どうしたらいいの?
目の前の状況の理解と今起こったことの理解で。
脳細胞は言葉まで働かそうとはしてくれない。
「どうやってここまで入れたかと思ったら…」
そう言いながらゆっくりと近づくと、私の目の前に座って。
グイッとあごを持ちあげた。
絶対にもう逃げられない!!
ギュッと目をつぶり、決まらない覚悟をなんとか決めようとしていた。