爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
「ああ!!!」
ポッカリと開いていた口は、驚きで引きつらせた。
清涼殿って、社会の歴史の時間に聞いたんだ!!
確か…
鎌倉でも奈良でもなくて…
京都!!
京都のどこだっけな?
嵐山じゃないし。
ええっと…
平城京じゃなくて。
平安京!!
「って、平安時代!?」
縛られたままの手。
人差し指で目の前の男を指差した。
「本当に、今度の式神は面白い。」
クスクスと笑いながら、そっと手首に巻かれた布を解いてくれた。
それなのに、カラダは固まったまま。
だって。
平安時代。
式神。
晴明って…
安倍晴明のことでしょ?
それくらいなら、万年学年最下位の私だって理解はできる。
じゃあ、ここは…
平安時代?
そんなの現実にあるはずない。
これは夢。
絶対に夢!!
頭を打って、夢を見ているだけ。
それなのに、さっき男を殴ってしまった手はまだ少しだけ。
ジンジンと痛みがある。
じゃあ、夢じゃない!?