爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
「一生のお願い!!!」
リビングのソファで新聞を読んでいるお父さんの目の前に、拝み倒すかのように。
ひざまずいて深く頭を下げた。
「お前の一生のお願いは、一体、何度目だ?」
新聞の陰から、チラリと冷たい視線を向けると。
呆れた顔をしながら、大きなため息をついた。
「それは…でも、今回はプロムパーティーで着るためで。」
うちの学校、3年生が卒業前にプロムって呼ばれるパーティーがあって。
参加は原則として男女のペアなんだけど、相手は同級生でなくても良くて、上級生や下級生はもちろん卒業生や学校外の者でも構わない。
参加は強制じゃなから。
そのため、相手がいなくて全く参加しない人や毎回違う相手と何度も参加する人など様々。
パートナーを決めるのは男子が女子を誘うパターンが一般的で、卒業のプロムまでにパートナーを見つけられなかったり、思い通りの相手と組めなかったりすることが多々ある。
プロムの内容はダンスや食事、おしゃべりなどで、基本的に夜に行われる。
会場は飾り付けをした学校の体育館なんだけど。
うちの高校ではその年によってホテルの会場を借りたり、リムジンをチャーターすることもある。
会場ではロックバンドやDJが登場し場を盛り上げる。
また、ダンスのあとには大抵、投票によってキングとクイーンを決めるイベントがあって、それが一番のメインイベントって言うくらい盛り上がる。
それに行くためのドレスなんだけど。
「なんだ…誰か男の子にでも誘われたのか?」
ニヤリと嫌味な薄笑いを浮かべた。