爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
「違うけど…美園(みその)と優芽(ゆめか)と一緒に行くの!!」
ムッと口をとがらせた。
プロムに誘われるのは、決まってかわいい子だもん。
私みたいに、普通の…むしろ、中の下くらいの見た目じゃ。
誰も誘ってくれない。
まあ、そういう人たちの為に、4年くらい前から3年生最後の思い出作りに誰でも参加できるようにって。
女の子同士もOKになった。
そのプロムで、彼氏をゲットしようって話なんだけど。
肝心のドレスが金欠で買えない。
だから、こうしてお父さんに頼んでいるんだけど。
「女の子同士とは、寂しいなぁ。」
新聞で顔を隠しながら、噴出して笑いそうなのをこらえている。
「いいでしょ!?お父さんは、大事な娘がどこの馬の骨とも知らない男に傷物にされてもいいわけ!?」
大きく目を見開きながら、眉をゆがめた。
だって…
彼氏がいないのは、自分でも寂しいけど。
普通の父親だったら、女の子と一緒に出掛ける方が嬉しいものじゃない?