爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
「いずれは嫁に出すんだ。それくらいの覚悟、お前が産まれた時からしているさ。」
「じゃあ、素敵な彼氏が出来るように、素敵なドレスを買う資金を…」
もう一度、拝み倒した。
「いいか?お金って言うのはな、額に汗して稼ぐものだ。苦労もせず、やすやすと手に入ると思うな。お前は、お父さんから貰うのはいい。でも、お父さんは額に汗して働いてお金を手に入れるんだ。」
「十分、分かっています。」
「分かっているなら、今度のテスト休み、うちの店を手伝え。」
「ええ~!?」
顔を引きつらせながら、勢いよく頭を上げた。
今度のテスト休みは、3人でドレスを見に行くって約束しちゃった。
絶対にムリ。
「働け!!それが条件だ。」
ピシッと私の顔を指差した。
「でも、その日はドレスを見に行くって約束が…」
「父親が自営業でありがたいと思えよ?日払いで出してやる。」
「でも…」
「父さんはな、お前には人として大事なことを覚えてもらいたい。お前には、70年以上続く店でさえ、この時代残してやれるか分からん。親として、お前に残してやれるのは、人として大事なことだけしかない。」
ポンと肩を叩きながら、私の目の前にひざまずいて。
真剣な目をしながら、私の目をのぞき込んだ。