爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~

「いずれは嫁に出すんだ。それくらいの覚悟、お前が産まれた時からしているさ。」

「じゃあ、素敵な彼氏が出来るように、素敵なドレスを買う資金を…」


もう一度、拝み倒した。


「いいか?お金って言うのはな、額に汗して稼ぐものだ。苦労もせず、やすやすと手に入ると思うな。お前は、お父さんから貰うのはいい。でも、お父さんは額に汗して働いてお金を手に入れるんだ。」

「十分、分かっています。」


「分かっているなら、今度のテスト休み、うちの店を手伝え。」

「ええ~!?」


顔を引きつらせながら、勢いよく頭を上げた。


今度のテスト休みは、3人でドレスを見に行くって約束しちゃった。


絶対にムリ。


「働け!!それが条件だ。」


ピシッと私の顔を指差した。


「でも、その日はドレスを見に行くって約束が…」

「父親が自営業でありがたいと思えよ?日払いで出してやる。」


「でも…」

「父さんはな、お前には人として大事なことを覚えてもらいたい。お前には、70年以上続く店でさえ、この時代残してやれるか分からん。親として、お前に残してやれるのは、人として大事なことだけしかない。」


ポンと肩を叩きながら、私の目の前にひざまずいて。

真剣な目をしながら、私の目をのぞき込んだ。

< 5 / 20 >

この作品をシェア

pagetop