爆弾☆トリップ~平安絵巻・安倍晴明は俺様だった!?~
「蜜輝は情に弱い所がある。ああ言えば、店番くらいするだろう?」
クスッと笑いながら、人差し指でこめかみをトントンと軽く叩いた。
「そうだけど…」
「その日は、久しぶりに出かけようじゃないか?」
「もう、パパったら。」
クスッと笑った。
そんなたくらみなんて知らなくて。
ドレスの為に店番することになったんだけど。
「じゃあ、出かけてくるから、お店の掃除を頼むよ。」
「陽一がもうすぐ帰ってくるけど、お昼は冷蔵庫に入っているから適当に食べさせてね?」
「分かった。」
ハアッと大きくため息をつくとガックリと肩を落としながら、やる気なさそうに。
笑顔で出かけて行く両親に手を振った。
「さて、掃除でもするかな?」
店の中を見渡して、ハアッとため息をついた。
掃除って。
この薄暗くてホコリっぽい店のどこを掃除しろと?
客なんか来ないんだし。
掃除しても古いものは古いまま。
あんまり変わらないんだし。
意味あるのかな?
店の奥からハタキを持ってきて、パタパタと適当に誇りを落としながら。
店に並んだ骨董品を見ていた。