REALLY

「なんや、この人形は」

「んー？いやぁ、別に。ただ"チップを用意できなかったから代わりを用意しただけ"さ」

「ッッ、せやからっ！」


ガンッ、と握った左手で机を叩きながら立ち上がる鶴嫁怪。怒りの感情がフツフツと分かる。


「この人形は何のつもりで出したんやって聞いてんねやっ！！」


握っていない右手で人形を指差す鶴嫁怪。その先には、"自分の知り合いを模した人形が浮かんでいる"。


「チップの代わりが人形やて？！なに言うとるねんっ！なんで…なんでよりにもよって姐さんの人形や？！」


鶴嫁怪の右隣、
姐さん1体、育て親1体、友達3体を模した人形計5体。


「言ったろ？大切な人を賭けるって。だからチップの代わりに人の命を賭けてみた。上手に作られてるだろう？なんせ、手作りの【呪い人形】なんだから」

「ッッ、あんさんだけはっ、あんさんだけは許さへんっ！僕が勝っても絶対に許さへんわっ！」

「いーぃ意気込みだぁ、そうこなくっちゃねぇ。……私だって、大切な人を賭けてるんだ。負けられないよ」


そう言う主人の右隣には、
大切な友人を模した人形が4体浮かんでいる。