REALLY
やっぱコイツ馬鹿だ、と主人が思ったことは伏せておこう。


「それじゃぁゲームを始めようか。あぁ、アンティ(参加費)は勿論必要ない。良いチップがあるからね」

「ちっ、ええからさっさとしろや」

「おぉ怖い恐い。じゃぁまずはベット(賭け)からだね。

オープニングベット(賭ける)」


主人がそう言うとチップ(人形)が2体、ポット(賭け金を置く場)へと移動した。


「さぁ、次は君の番だ」

「……ッッ、コール(同額を賭ける)」

「へぇ、それ以上は賭けないんだ」

「あっ、当たり前やろ!自分の都合でホイホイと犠牲者出すやなんて、悪魔のやることやっ!!」

「悪魔?それはつまり私のことだね。君は私らをそんな風に思っているのか、心外だなぁ」

「るっさい!さっさと始めんでぇっ」


やれやれ、と肩をすくめる主人を睨みつつ、鶴嫁怪は各ポジションへとカードを配っていく。


「一つ、ベットを行うのは二回だという事を踏まえてもらう。私も暇じゃないんだ、出来るだけ早く終わらせたい。ルールを忘れるのは勘弁してくれ」

「ンなことあらへんわっ、僕の事舐めんといて!」


それはよかった、ニッコリ笑う主人は自分の手札をチラッと確認した。


「(ふぅむ、これまた交換しにくい組み合わせだな…)」


あともう一歩でフルハウスかもしれないというツーペアだ。ここで交換するのもいいが、相手に読み取られるのはまずい。

さて、どうしたものか……

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