REALLY
主人は2ゲーム目のため、シャッフルを行っている。鼻歌を歌いながらするものだから、鶴嫁怪の癪に触るは当然。


「……なんでや」


不意に、ポツリと呟く鶴嫁怪。


「……なんで、大切な人失わなアカンのや……」









「それは君が弱いから」


弱々しい鶴嫁怪に追い討ちをかけるか如く、主人は辛辣な言葉を述べる。


「君が弱いから失った。君が弱いから死んでしまう。全ては君のせい、全部君が悪いんだよ」

「……ッッ」


深く刺さる言葉。

鶴嫁怪が反抗できないのを見計らい、主人はまた言葉を続ける。


「そもそも君自身の目的のためにココへ来たのが悪かったんだよ。愛を選ばず己がための欲を選んだ、天罰なんじゃないのかい?全部ゼーンブ君が悪い、君のせいで人が死に、君のせいで誰かが悲しむ。君は悪魔よりよっぽど酷い奴だよ」

「……ッッ、で、でもっ……」

「でも?君にソノ言葉を言う権利はない。人の命を賭ける覚悟のない奴にはね。言ったろ?覚悟を持って全力で、

死ぬ覚悟をチョウダイな、って」


綺麗にシャッフルしながら静かに語る主人。鶴嫁怪はもはや混沌に混ざりそうな程堕ちていく。

そして救う手は意外にも、






「なんてね、」

「はっ………?!」


言い出しっぺの主人だった。

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