REALLY
途端、只でさえオンボロだった館に亀裂が入り、音をたてて崩れた。

鶴嫁怪と館の主人に瓦礫は一切当たらず、地下へと瓦礫は沈んでゆく。


「…2階やな」


言うや否や、唯一崩れなかった__、否、崩れなかった部分の内の一つと言うべきか。不幸中の幸いに面した螺旋階段を登ってゆく。


そしてもう一つ崩れなかった部分、主人が腰掛けている背もたれの高い椅子と人三人は乗れるであろう机の周り50cm内にはまだ床がある。


ギシィッと相変わらず音を立てて進むと、主人がコチラを向いた。

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