好きになっちゃいけない!!
あたしはゾッとした。

不安、憎悪、恐怖に包まれる。

ゴクリと唾を飲み込む。

妙なこの緊張にのどが渇いてしまった。

背中には冷や汗が流れ、身震いしそうだ。


怖い・・・何も話さないで・・・

「ひっく・・・」

亜衣瑠の泣き声で我に返ったあたしは、冷静さを保たねば、と思い、亜衣瑠を自分の部屋に案内する。


リビングにいたお母さんが、心配そうに顔を覗かせる。


部屋に入ると、亜衣瑠はベッドにチョコンと座った。

あたしも亜衣瑠の横に座る。

亜衣瑠に気づかれないようにゆっくりと深呼吸をすると一息ついてから、亜衣瑠に聞いた。



「なにがあったの??」と。

普通なら下を向いたまま話すに違いない。
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