好きになっちゃいけない!!
だが、亜衣瑠はマ逆だった。

パッとあたしの方を見たのだ。

その瞳はいつもの亜衣瑠ではないことを証明して見せた。


優しい瞳。

違う。いつも相談に乗ってくれる亜衣瑠のあたしが唯一、ホッとできる表情・・・それではない。


悲しい瞳。

ううん、違う。矢沢とケンカして悲しみに飲まれている亜衣瑠の複雑な表情。これも違う。


不安な瞳。

違う。どれもこれも当てはまらない。

なんか・・・

ねたみ、不安、怒り。

3つの感情が複雑に混ざり合い、亜衣瑠の今の表情を作っている気がした。


そう、突き刺さるような・・・

亜衣瑠が初めて、あたしを睨んだ。

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