好きになっちゃいけない!!
あの亜衣瑠が睨むはずもない、と思ったあたしは苦笑いをうかべて、

「亜衣瑠??」

と、呼びかけた。

「っ・・・」

亜衣瑠の涙はもう止まっている。

だが、指先は震えていて・・・・

安心させようと手を握ろうと手を伸ばす。

・・・だが・・・

「さわんないで!!!薄情者!」

亜衣瑠の怒りをぶつけたような叫び声が部屋の中に響いた。


へ・・・?

いつもの、亜衣瑠じゃない。

おかしい・・・

亜衣瑠がおかしい。

「・・・間違えたわ。ごめんなさい。」

その言葉で、ホッと安堵する。

「裏切り者、だったわね!」

吐き捨てるような亜衣瑠の酷い声。

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