好きになっちゃいけない!!
「・・・誰に?」

あたしが不機嫌そうに顔をしかめて聞くと、矢沢は

「亜衣瑠に・・・」

と、つぶやくように言った。

ズキン・・・

矢沢が教室を出てから、ゆっくりと中身をみると・・・

「亜衣瑠へ・・・今度の日曜日、暇か?もしも暇だったら、日曜日の2時に、駅前で待ってるから来いよな。」


ぐっ・・・

仕方ない。仕方ないんだ。

これは、あたしが悪いんだから。

あたしが、心友の彼氏なんか好きになっちゃったから。

だから。あたしが悪いんだ。

仕方がない・・・

そう心の中で何度も自分に言い聞かせながら、家に帰った。


「ただいまー・・・」

あれ?

あたしのじゃ、ないよね?


玄関には、ローファーが一足。

「お母さん?誰かきてるの??」
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