あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
江梨は週末はなるべく父の見舞いに行き、平日は無料の法律相談をかけずり回っていた。

役所にも色々聞いてまわった。

江梨とヒロのそれぞれの本籍地と、ヒロの赴任先の市役所にもかけずり回っていた。

離れがたくて江梨の家からヒロが赴任先に帰る時ついて行ってしまったりして、女子禁制のヒロの銀行の寮に行って愛し合ったり、お昼休みにデートをしたり、仕事ぶりを見に行ったりもして二人は愛を育んでいた。

一番困ったのは、寮で誰にも見られずにトイレに行く事だった。

一度ヒロの先輩に見られてしまったが、後で冷やかされた程度ですんだらしい。



船や車のデートも楽しかった。

ヒロは江梨の夫として江梨の近辺では通っていたから、行く度に近所やユウの友達の親にも毎回おみやげも買っていた。

江梨の両親は、ケイが産まれてから江梨と和解していてヒロとも会っていた。

特に父はケイをとても可愛がってくれ、そんな体で会いにも来てくれた。

不安で仕方なかったけれど、幸せだった。

一緒にいられるだけで幸せだったのだ。

会える事がどんなに幸せか、人はわかっているだろうか。
< 114 / 224 >

この作品をシェア

pagetop