あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
『警察呼べって言ったのはヒロちゃんだよ!?

しかも、私は夜中に電話なんてしてないし!

だって、電話したって、ヒロちゃんのお母さん、水道の蛇口捻ったみたいに勝手に自分に都合のいい事ばっかり言って全然会話にならないから、ストレスにもなるしもう私電話してないよ!』

「俺達、周りに振り回されてるのかな?」

『もっと私を信じてよ!

こんなの悲しすぎる!

何で私一人悪者なの?

何で私一人で頑張らなきゃいけないの?

ヒロちゃんの馬鹿!卑怯者!』

「またそうやって俺を責めるんだね。

でも、江梨ちゃんはそんな事言う子じゃないって、ヒロちゃんが一番よく知ってるよ。

江梨ちゃんにそう言わせてるのは俺なんだ。ごめんね、江梨ちゃん……」

また二人は電話口で泣き出した。

「でも、俺は江梨ちゃんやケイといたい。別れたくなんてないんだ。

だけど、今日まで大きくしてもらったのに逆らえない。

だから、江梨ちゃん、辛いだろうけど、俺の為に頑張って!」

『ずるいよ……辛いよ……何で?

ヒロちゃんが年下じゃなかったら、私こんなに責められる事ないのに魔女扱いだよ!?』


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