あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
籍を入れた夜に、江梨はこう言った。

『ヒロちゃん……離婚させられたとするじゃない?』

「うん」

『そしたら、一度本籍を移して、もう一度本籍を戻したら、離婚歴がヒロちゃんの戸籍から消えるから、そうしたらいいよ』

「…………」

市役所でさえもヒロの親の手の中に収められ、江梨は本当に一人で戦い続けた。

味方は無料相談の時に会った弁護士だけ。

家裁で会った時、

「頑張れよ」

と、言ってくれた。

たった一度会っただけなのに、覚えていてくれた。

相談していた時は、

「君は本当にお金が目あてじゃないんだね。本当に子供さん達の為だけに、必死なんだね」

と、驚いていた人だ。



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