あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
江梨自身こんなに自分の気持ちが色褪せないのが不思議だ。

嫌いになって別れたなら……良かったのか、深く愛し合ったまま自分の心臓をもぎ取られるようにして引き裂かれてしまったせいなのか、愛に終わりがなくてそれは幸せな事なのか。

ある人のように、ただ一人を一途に深く愛し深い傷を負い、相手が違う誰かの手を取って去って行ってしまっても、かわりのない一生に数える程の愛があると江梨は身を持って知った。

それがどんなに悲しい事なのかも。

結ばれたなら良かったけど、裏切られて捨てられたのに憎めなくていつまでも愛しているなんて。

知られもしないのに、ずっと愛してるなんて、悲しい。
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