あの夏の永遠~二度と会えない君へ~

再び死を図る

江梨は長く強い人間でいた。

けれど江梨にとって人に疎まれる事は何より辛い。

まだ足が回復しきっていない頃には、かたわだの身体障害者とヒロの親になじられた。

またそれで子供に苦労かけるのはとても辛かった。

そして子供やタクが自分を無視する時は死ぬより辛かった。

うとましがる心ない一言に、江梨はすぐに死を願ってしまうようになる。

せっぱつまっている時は、自分で自分を即殺しにかかってしまう。

そして失敗しても誰の慰めもない。

生きる事に疲れたのだ。

江梨はもう疲れてしまっていた。


誰かの不幸の元になって、自分も苦しみながら生きているのは辛い。

自分はいない方がいい。

皆の荷物になっている。
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