あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
お正月の江梨の実家への帰省の時には、両親が車で迎えに来た。

体調が悪いので車中では眠いふりをしてユウの膝枕で寝ていたら、江梨の母が、

「何をベタベタしてるんだ!だらしない!」

と、叱責した。

実家では着ぐるみみたいな服を着て、上からハンテンを着て極力自室から出ず、両親の前を移動する時は背中を向けた。

江梨は後ろから見たら、妊婦とはわからない体型だったので何とかバレずにすんだ。

妊娠がわかると、縁を切られる覚悟をしていたのでこれが最後の母の手料理……と、内心思いながらしみじみ食べた。

両親が留守の時には、父母のアルバムから父母の写真や祖父母の写真、親戚の写真を数枚持ち帰った。

(まるで泥棒?)


帰省から戻りヒロと二人で誓いあったし、さすがにお腹が隠しきれない事もあって、思いきって実家に電話したら父が出た。
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