あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
まさかの裏切り

留守番電話

お腹が大きくなりつつあった時、一度事件があった。

ヒロが寝ている時、留守番電話に女のメッセージが入った。

「もしもし~ぃヒロくぅ~ん?いないのぉ~?また電話するね~」

私は思わずヒロを揺り起こしたら、ゼミの子だろうと言った。

次の日もかかって来たので、江梨は受話器をとって電話に出た。

『もしもし、ヒロちゃんは留守ですけどどなたですか?』

「あなただぁれ~?」

『彼女です。卒業を待って結婚するんです。

お腹に赤ちゃんもいるんです。あなたはどなたですか?』

「わたしぃ~?
伝言ダイアルで知り会って~時々電話してるのぉ~。

大丈夫よぉ~私ちゃんと彼氏いるし~ぃ」

『悪いんですけど、私すごく心配なんでもうかけて来ないでくれますか?』

「わかったわよぉ~」

電話はそれで切れた。

そう言えば、先月電話料金がやたらすごかった……。


ヒロが帰ると、江梨は怒って本を(優しく)投げつけた。

『どう言うつもり?

私が今どんな思いで暮らしてるかわかっているのに!』


「ごめん。でも会った事ないし」

『どんな人よ!』

「T市に住んでる中学の音楽の女の先生で、結婚もしてる……。
江梨ちゃんより年上だよ。」

『2度と連絡とらないで!』

「わかったよ……」
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