あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
市役所にはしょっちゅう呼び出されていた。

いつもいつも責められた。

ある日等窓口で泣き出したら、周りを気にして帰してくれた。

またある日は黙って聞いていたら、

「江梨さん!今日はもうお帰り!顔色が酷く悪いよ!

いいから帰りなさい!」

と、言われて帰して貰えた日があった。

母親以外に祝福されない子を、病身でたった一人で生む人間に社会は優しくない。

茨の上を素足で歩くようだ。
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