あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
数日後……


今度は不動産の息子さんが来た。


覚悟していた事といえ、辛い事の連続だった。

だか、一つずつ立ち向かうしかない。

私はヒロちゃんの卒業と、子供達を守らなければいけない。

「あの……お話を窺いたいんですけど、赤ちゃんがお生まれになったと言う事を聞いたんですけどご結婚なさった……?」


『あの……いえ……。大家さんには話したんですけど、あの……あの……。
赤ちゃんは産まれたんですけど、結婚はしていないんです。』


優しく接しられて、涙がせきを切って溢れた。

ポロポロと涙を落としながら、

『あの……卒業したら結婚する約束なんですけど、今はまだ父親が大学生で……うっ……うっ』

必死で説明する江梨に不動産屋が言った。

「わかりました!もうそれ以上言わなくていいです。

すみません。辛い事を言わせてしまって。」

そう言って帰った。

思いがけない優しい言葉に江梨は泣きじゃくった。

酷い事を言われるのは昔から免疫があったが、優しくされる事に免疫がないので、江梨は優しさに脆かった。


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