あの夏の永遠～二度と会えない君へ～

「なぁに……あらあら……バルーンが抜けちゃったのね。
まぁいいわ。
入れ直しね。」

そうして、看護婦はまた入れ直していなくなった。

その時、ヒロとユウが来た。

強い陣痛が起こらないので、お腹が空いていた為に、病院からうどんを食べさせてもらっていると、江梨の年上の知人が来た。

「ヒロちゃんお腹空いたでしょ？
これ差し入れ～。
つまんで頂戴。」

と、寿司折りを差し出した。

だいたい江梨に差し入れならわかるが、何故かヒロにだけ差入れだ。

この人は心配だからといいながら、すごいおしゃべりで、ヒロの大学卒業の為と、まだ未入籍の為に、極秘にしている江梨の妊娠を男友達に平気でペラペラ喋ったりする理解できない人間だ。

江梨の周りの人間は皆その人を軽蔑していた。

多分、一度ヒロに会ってみたかったからやって来たのだろう。