あの夏の永遠~二度と会えない君へ~
その人が帰った後に、看護婦がまた来て、


「まだまだ産まれないんだから彼氏を帰してあげなさいよ~。
ほら、彼氏、早くおかえり」


と、手を握りあっていた江梨達に言って、ヒロを帰してしまった。

その直後、女医が来て江梨を診察した。


「大変!大変!臍の緒から出てきてる!」


(えっ……?どういう事?)


「オペの用意して!」


(何?何がどうしたの?)

婦長が来て、江梨のお腹の産毛を剃毛しはじめた。


『……!私、もしかして……今からお腹を切るんですか!?』


「はい、そうですよ~」


江梨はすすり泣きを始めた。

男の医者も来て、


「赤ちゃんがね、臍の緒から出てきて、このままだと酸素が行かなくて赤ちゃんが死んじゃうんです。
いいですね。嫌と言っても切りますけどねー!」


(手術……?嫌だ。怖いよ。赤ちゃんが死ぬ……?

やだ……死なないで!

ヒロちゃんどこ?

あの看護婦がヒロを帰さなかったら今ここにいたのに!)

ストレッチャーに乗せられ、泣きながらサインをさせられていた時、知らせを聞いたヒロとユウが飛んで来た。
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