明日もいつも通りに、会いましょう。
「あれー?ケーコ?
ひとりで走ってんの?」
どこからか聞こえた私を呼ぶ声。
ふと声の方を見ると、
帰宅部のクラスメイトが手を振りながら私に声をかけていた。
「うーん、まあね」
「頑張ってー!」
「ありがとー!」
私は手を振って答える。
私は、「啓子(ヒロコ)」って名前なんだけど、
「ヒロコ」って呼んでくれるひとはなかなかいない。
たぶん「啓子」は主に「ケイコ」って読むことが一般的だからだろう。
それにあとから呼んだひとが「ヒロコ」だってわかっても、
私はどっちでも構わなかったから訂正することもなく。
だから結局はじめに間違って
「ケーコ」って呼ばれたからそのまま。
「ケーコ」ってのがニックネームになってる。