明日もいつも通りに、会いましょう。


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「じゃさよなら!」



「ごめんなさいね。
なにか…なにもできなくて」


玄関先まで来てくれたおばさんが
申し訳なさそうに謝る。


結局私たちはおばさんがなにか用意するからって言ってくれたのを断り、
帰ることにした。



「いいんです。
今日は報告したかっただけだから」


ホントは何か食べたいなーって思ったけど。


そして中村くんと私はおばさんに一礼し、
背を向けて歩き出す。





外はすっかり夕闇で。
ぽつぽつと街明かり。


いい事した後は気分がいいね。




「……いいのか?」


突然、耳元でコソッと低い中村くんの声。

ゾクッとして、
ドキッとして、
赤くなる。


「えっ!
はいっ?!」


慌てて囁かれた方の耳を両手で押さえる。

めっちゃ焦るって!



「なにか、
食べたかったんじゃないのか?」


は?

私、どんだけ食いしん坊に思われてんの。

うー……。


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