明日もいつも通りに、会いましょう。
「なにがおかしいのよ?」
むっとして答える私に彼はまだ笑う。
「ヒロコは威勢がいいね」
威勢がいいって、
そんなの当たり前じゃん。
自分のたいせつなひとが
こいつらのせいで泣いてるんだよ?
「…たいせつ?」
「そう!
私の気持ち、
わからない?
……中村くんにはたいせつなひと、
いないの?」
え?
うわ、中村くんのたいせつなひととか!
なんか興奮して余計なことまで言ってしまった!
「えっと、
そういうひとが哀しんだら、
自分も哀しいんだから。
だから私も悔しくて、
哀しくて」
私の言葉を聞いて彼は目を閉じる。
そしてゆっくり目を開けて言った。
「そしたらさ、
それなら俺にも大いに関係ある話だから」
そう答え、
にっこり笑う。